主要テーマは、参議院選挙敗北の分析と総括、
および
来る総選挙と来年の統一地方選挙に向けての方針決定です。
「中央委員会報告」は、上記の二つの内容に分けて行われたようです。
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第2回中央委員会総会
【参議院選挙の総括と教訓について】
第2回中央委員会総会
【政治情勢と党建設・選挙方針について】
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「朝日新聞」9月27日付け でも書かれていましたが、党の実情をリアルに報告されたようです。
まず、冒頭で
【 まず私は、幹部会を代表して、日本共産党を支持してくださった支持者のみなさん、奮闘していただいた党支持者、後援会員、党員のみなさんに、心からのお礼を申し上げます。同時に、選挙指導に日常的に責任を負う常任幹部会を代表して、全国のみなさんの奮闘を議席と得票に結びつけられなかったことについて、おわびします。】
と述べた後、次のように言っています。
【 わが党が、参議院選挙で掲げた政策は、どの分野、どの問題でも、国民の利益にかなったものでした。
同時に、参院選の政治論戦を全体として振り返ってみると、いくつかの重要な弱点がありました。】
そして、第一の弱点として以下の点を挙げました。
【「探求にこたえ」「展望をしめす」という点でどうだったか――消費税論戦の弱点】
多くの国民には、「反対」というメッセージだけが伝わることになりました。「反対」自体は正論であっても、それだけでは「自分の一票でさらに政治を変えたい」と願い、その願いにこたえる政党を求めている広い有権者の心には響きませんでした。消費税問題でのわが党の訴えが、わが党の前進に結びつかなかった一因はここにありました。
【有権者との接点をリアルにつかむ指導上の弱点】
これは、良い情報だけを集めて上に挙げるという体質が支部から中間機関に至るまで蔓延し、決定的かもしれない弱点や問題点が報告されない(したくない)という傾向が広がっていることを示しています。わが党にとって「良い情報」は多少遅れても勝敗に大きな影響を与えませんが、「悪い情報」は、ただちにつかみ、解決・改善しないと、勝敗そのものに影響を与えることになります。
【日本改革の方針を語り、具体化する活動にかかわる問題点について】
中央の姿勢の弱点は、発行した宣伝物にあらわれています。綱領が示す日本改革の方針を正面からの主題とした宣伝物は、選挙本番前にも、選挙中にも発行されませんでした。
パンフレットの発行は、中央の選挙財政の制約から不可能だったという実情がありました。しかし、それにかわるリーフやビラなどの宣伝物を早い段階から作成し、「日本共産党は日本をこう変える」という大きな展望、党の理念や歴史をふくめた全体像を語るとりくみのイニシアチブを発揮すべきでした。
第二に、政策展開の問題について触れ、
【同時に、わが党の政策活動には、この点での重大な立ち遅れや弱点、新しい政策的発展の努力が求められる問題がありました。】として、順不同に挙げるとして
【「政治主導」論、「脱官僚依存」論、「公務員削減」論、「地域主権」論などの、「国のかたち」をめぐる議論にたいして、その問題点を深く解明・批判し、綱領の立場にたった抜本的な対案をしめすことも重要な課題】
【社会保障の水準を欧州諸国なみに拡充するためには、これまで明らかにしてきた財源政策にとどまらない、抜本的な財源政策が必要になります。綱領がのべている「大企業・大資産家優遇の税制をあらため、負担能力に応じた負担という原則にたった税制と社会保障制度の確立をめざす」という見地での政策の発展が必要になります。】
これは重大な『政策転換』ではないでしょうか? 無駄をなくし、負担能力に応じて大企業・大資産家に負担させ、軍事費を削るだけでは、解決できない課題であることを認めたように見えます。
【情勢の進展が求める水準にてらしての政策活動の立ち遅れ、新しい政策的発展の努力が求められる課題は、ほかにもさまざまな問題・分野にあります。中央として、新たな知恵と力をつくして政策活動の創造的発展にとりくむ必要があります。】
私たち党員は、共産党は「力は弱いが政策は与党や旧与党などと比べて抜きん出ている」と思わされてきましたが、党中央が『政策活動の立ち遅れ』を自ら指摘したのは驚きでした。
第三の弱点として、「党押し出し」のあり方について
【大きなスケールでの党押し出しの努力を発展させるうえで弱点があった】とし、
と述べています。この数年間を振り返ってみても、「決定的な場面」での日本共産党の奮闘が、現実政治を動かす力となって働いたという実例は、豊かになっています。
国民の草の根のたたかいと一体となった日本共産党の奮闘は、必ず現実の政治を動かす力となって働く。その根本には、党綱領に示された日本改革の方針のもつ力がある。
このことを豊かな実例をもって語る活動に、もっと知恵と力をそそぐべきだった。
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選挙実務や党運営の実務の問題にも触れ、
と述べています。「棄権防止運動の抜本的見直し」(結びつき以外への危険防止電話はやめる) 大歓迎!
「長期・多項目の日報制度は中央から中間機関に至るまで廃止」 大歓迎!
「党機関や支部に重い負担をおわせるような、過度の電話による指導・点検のあり方も、中央を先頭にあらためる」 大歓迎!
非拘束名簿式比例代表選挙における投票の徹底についても不行き届きを見とめ
【党員は活動地域の候補者名で投票することにしました。これは前回選挙につづいての方針でしたが、その方針そのものの徹底が弱く、選挙後に、「知らなかった」という意見も少なからず寄せられています。方針の徹底が弱かったことは、中央の指導上の反省点です。】
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そして、朝日新聞が書いていた、「党の自力の不足」についてです。
① 党活動への参加の問題
【党費納入は、全党的には62%という水準にとどまっています。今回の参議院選挙の活動に参加した党員も、5割~6割にとどまったと報告されています。支部長のいない支部が4・8%、1カ月に一度も支部会議が開かれていない支部が2割となっています。少なくない党員が党活動に参加できておらず、支部の一部に党生活の崩れが生まれているという現状があります。】
② 党の世代的構成の問題
【現在のわが党の世代的構成は、65歳未満の党員は約6割、65歳以上の党員が約4割という構成であることが明らかになりました。
長期的推移でみると、1997年時点での世代的構成は、65歳未満が約8割、65歳以上が約2割でした。
高齢の党員が増加し、その社会的経験や知識、結びつきを生かして大きな力を発揮していることは、わが党にとってかけがえのない財産です。
問題は、若い世代、現役労働者のなかでの党員拡大に成功していないことにあります。】
③ 党を語る力の問題
【党を語る力の土台となる綱領学習は、読了党員で40・6%、
第25回党大会決定の読了・徹底党員は33・5%にとどまっています。
これが、どんな情勢のもとでも党員が未来への科学的確信と展望をもって不屈にたたかううえでも、一人ひとりの党員が国民との結びつきを生かした活動を発展させるうえでも、大きな弱点となっています。】
「しんぶん赤旗」読者
【今回の参議院選挙を、読者数で、全党的には2007年参院選比で、日刊紙 94.7%、日曜版 94.8%の到達でたたかいました。
2004年参院選比では、日刊紙 83.0%、日曜版 79.7%の到達でのたたかいとなりました。
現在、「しんぶん赤旗」読者は、日刊紙、日曜版合計で、140万人弱という水準となっています。
この党勢の後退が、参議院選挙での後退の重大な原因となったことは、明らかです。】
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以上のように、従来になく党中央の指導上・政策上・戦術上の弱点を明らかにしていますが、現実をリアルに見るのは一歩前進としても、上記の「党の自力の不足」に長期間を通じて至ってしまった原因については、根本的なところを見いだせていないように思えます。
それが、党再生への探求すべき大きな課題だと言えるでしょう。 (S)
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