自らが大連からの引き揚げ者である 監督 羽田澄子さんの作品です。
1931年9・18の柳条湖事件以来、日本は 満州国を作り、そこに、国策として民間人を多数送り込みました。民間人の送り込みは、日本が太平洋戦争での敗戦色が濃くなってからも継続されたといいます。
そして、1945年 ソ連参戦以降は、関東軍の関係者はいち早く逃げ帰って、民間人には安全な避難の手段はまったく講じられませんでした。
民間人の 逃避行を 日本に帰ってきた人、中国に残って辛酸を体験した人たちの証言によってよみがえらせています。
「満蒙開拓団とは、1931年の満州事変以後、日本政府の国策によって、中国大陸の旧満州、内蒙古に入植させられた日本移民のこと。1945年の太平洋戦争敗戦までに送り込まれた開拓団員は約27万人と言われている。 しかし、その内の約8万数千人が、ソ連参戦、日本の敗戦によって、帰国できずに亡くなっている。」
「体験者の多くはすでに亡くなっていますが、多くの方に取材し、日本の近現代史を振り返り、日中友好が大切であることを考えました」 羽田さんはこう語っています。
内容の硬い映画ですが、天神シネテリエには、たくさんの人が見に来ていました。
今、見ておかないと、今、語り継いでおかないと、日本の戦争体験は風化されてしまうという危惧があるようです。
決して、楽しいという映画ではありませんが、歴史を正視するためにも、見ておいて欲しい映画です。
先月でしたか、NHKのドラマで、『遥かなる絆』というのが放映されました。 ノンフィクションライターの 城戸 久枝 さんが書いた 『あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅』(情報センター出版局刊) をドラマ化したものです。 (鈴木 杏さんが 好演)
城戸さんは言います。 「あの戦争から64年が経った。今、戦争体験のない若い世代にできることは、身近にいる人間の戦争体験を引き継ぎ、次世代に伝えることではないだろうか?」
(余談ですが、先日、松山市内を訪問した際、松山南高校の校舎の壁に 城戸さんの名前が大きく書かれていました。)
もう一つ、中洲川端の 博多リバレイン 10F 人権啓発センターで、南京に関する映画が上映されます。 8月28日(金) 13:00 映画 『南京』、 14:40『アイリス・チャン』
¥1,000 8月30日(日) 13:00 『南京大虐殺 30万人の証明』
見ようと思えば、知ろうと思えば たくさんの 情報が 発信されています。 (T)
平和と 民主主義の ために!
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