その一つは、第一面・中央付近の記事
題して、
【高校・大学の学費無償化条項 留保 日本など2国だけ】
先進諸国は無料化が当たりまえ。日本(GDP世界2位)は異例。
のこり一国は、マダガスカル(GDP世界125位)という発展途上国。
内戦で揺れるルワンダ(GDP世界150位)でさえ、2008年12月に「留保」を撤回した。
日本は、それほど異常な国なのである。
国際人権規約
高校・大学の学費無償化条項
日本など2国だけ
2009年6月8日(月)「しんぶん赤旗」
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高校と大学の学費を段階的に無償化することを定めた国際人権規約のA規約(社会権規約)第13条を留保している日本など3カ国のうち、ルワンダが昨年12月に留保を撤回していたことが分かりました。これで、同条項を留保している国は、条約加盟国160カ国中(09年5月現在)、日本とマダガスカルの2カ国だけとなりました。
国際人権規約は1966年、国連総会で採択されました。日本政府は79年にこの条約に加わりながら、中等・高等教育の学費無償化条項は留保したままです。
国連の社会権規約委員会は2001年、日本政府に対し、留保を撤回するよう勧告しました。ところが政府は、回答期限の06年が過ぎても、まだ回答をしていません。
日本の学費は世界でも異常な高額です。とりわけ貧困と格差の拡大の中で、学費が高すぎるために毎日深夜までアルバイトをして体を壊す学生や、学校を去らざるをえない若者が増えていることは見過ごせません。
日本共産党は、無償化条項の留保を直ちに撤回して国の姿勢を転換し、学費を計画的に引き下げることを求めています。
国内総生産
日本 2位
マダガスカル 125位
日本の国内総生産は、515兆837億円(2007年度)で世界2位。それに対し、マダガスカルは125位で73億ドル(07年、約7200億円、1ドル=98円で換算)、ルワンダは150位で33億2000万ドル(同、約3300億円)です。
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国際人権規約 1966年の国連総会で採択され、76年に発効した人権の国際的保護を定めた条約。48年の国連総会決議であった世界人権宣言の内容の条約化をはかったもの。A規約は「社会権的基本権」を、B規約は「自由権的基本権」を規定しています。
もう一つの記事は、第五面 「ゆうPRESS」
題して、
【日本は世界でダントツ 高い学費 もう限界】

このグラフを見ただけでも一目瞭然ですが、記事の内容は、ここをクリック
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ゆうPRESS
高い学費 もう限界
2009年6月8日(月)「しんぶん赤旗」
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日本の大学の異常に高い学費が青年の夢や進路を阻み、雇用と景気の悪化が追い打ちをかけています。学費の負担軽減は待ったなしです。学生自治会でつくる全学連(全日本学生自治会総連合)は12、13の両日、学費の引き下げなどを求めて国会要請行動と集会を開きます。高い学費の影響や引き下げへの思いを3人の青年に聞きました。(染矢ゆう子)
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お金なきゃ勉強しちゃだめ?
■信州大学農学部3年の男子学生(20)
会社を経営する父の収入がこの不況でさらに落ち込み、昨年冬「学費は払ってあげられない」と告げられました。両親はいつになく暗い表情でした。
奨学金をすべて学費にあて、教科書代や自分の生活費のためバイトを始めました。
毎日遅く帰ってくる父に申し訳ない、と思いつつ大学に通っています。大学と高校の受験を控えた妹と弟が大学に行けなくなるかもしれないのに、勉強する価値があるのか、と思うこともあります。
学生自治会の執行部の一員として、アンケートや大学との交渉をしています。対話すると、家計に負担をかけてしまって申し訳ない、両親がやりくりに苦労していて申し訳ない、と話す学生が多くいます。
私も13日の全国学生集会に参加します。「お金がある人しか勉強しちゃいけないんですか?」と政府に問いたい。
両親の貯金が底尽きた
■経済的理由で大学を退学した男性(21)
昨年、父親に「大学をやめてくれないと生活できない」といわれ、2年で和光大学(東京)を退学しました。
入学したときから、いつかはこうなると覚悟していましたが、「これで終わり」と思うと力がなくなりました。
両親は共働き。しかし父親の賃金が下がり、ボーナスもなくなり、年収は2人合わせても320万円。学費120万円と仕送り120万円など私のための支出は年300万円を超えていたそうです。
両親は、貯金を全部使い果たしました。福井県の実家に戻ると、父親は「ごめんな」と謝りました。
退学し、働き始めると人とのかかわりが減りました。大学ではいろんな人に出会えて友達もできる。学ぶ権利は保障されるべきだと思います。
大学で学費を下げる運動に出合えてよかった。学費が高いことがおかしいなんて考えたこともなかったので、ぐっときました。出合わなければ今も国立大に行けなかった自分を責め、親を責めていたと思います。
睡眠時間は1~2時間
■関東学院大学工学部2年の女子学生(19)
母親のパート代だけでは余裕はありません。「自分で払うから大学に行くね」といって入学しました。
学費と一人暮らしの生活費を奨学金とバイトでまかないます。学費は年128万円。無利子と有利子を合わせて月16万円の奨学金のほとんどが学費でなくなります。まだ足りないので6月分の奨学金が振り込まれるまで納入を遅らせてもらっています。
週に3~4日、カラオケ店で深夜バイトをしています。睡眠時間は1~2時間です。授業中寝てしまうことも多いです。一人暮らしの費用がたまるまでは茨城県の実家から神奈川県の大学まで片道2時間半かけて通っていました。
兄も同じように、学費と生活費を自分で払っています。「やりたいことをやるんだからつらい思いをするのは仕方がない」と思っていました。でも、外国では学費が無償だと聞いて「変えられるかもしれない」と気持ちがラクになりました。
国会要請は授業とバイトで行けませんが、私もできることをやりたい。
運動広がる
学生を中心に「学費を下げたい」の一致点で加入でき、学費引き下げの署名活動などにとりくむ「学費ゼロネット」の結成が全国に広がっています。
現在、京都、東京、大阪、兵庫、千葉、愛知で活動。東京では今年、22学園で1000人以上から実態アンケートを集めています。(グラフ)
吹田市にある大阪大学の学生らでつくるゼロネットOSAKAは、吹田市議会に要請。市議会は全会一致で高学費問題の改善を求める意見書を可決しました。
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