昨日(4/18)、午後二時から 安保破棄福岡県実行委員会の主催で
先日の北朝鮮のロケット?発射の際に、全国に展開された【PAC3】が役に立つのか?を検証する学習会が開催されました。
会場は、福岡天神中心部の「アクロス福岡」の2階「セミナー室2」。
イスは、80脚ほど用意されていたようですが、補助席を出すほどの満員の盛況でした。
(写真を撮るのをあいにく忘れていました。)
私も、特別この学習会への参加を呼びかけられた訳でもなく、日刊「赤旗」に折り込んであったチラシをみて参加したのですが、この問題への関心の強さが現れています。
主催者の挨拶の後、早速講師の小泉親司氏(日本共産党・元衆議院議員)から詳しい説明資料を元にした講演が行われました。
約80分に亘る講演ですので、その詳細は略しますが、大雑把に要約すると以下のようなものです。
① 北朝鮮によるロケット発射をどう見るか?
私たちはどのように対応すればよいか?
② 日本政府の取った、軍事(迎撃態勢構築)一辺倒の国際的にも異常な対応
③ 「PAC3」配備に至る経過
1972年ABM条約,1983年レーガン政権のSDI(StarWars)計画。
クリントン政権のNMD計画,子・ブッシュ政権のMD計画(Mad計画)。
④ MD計画の概要
MD計画は、3段階の防衛構想。
第1段階:発射時に上空から撃破
第2段階:上昇時にイージス艦の「SM3」で迎撃
第3段階:日本上空で「PAC3」で迎撃
弾道ミサイルの速度はマッハ21~24.秒速8km程度 東京から福岡まで100秒程度
⑤ 「PAC3」の性能
一発:5億円
速度:マッハ5 (弾道ミサイルの5分の1程度)
射程距離:20km
秒速8kmで飛ぶ弾道ミサイルを秒速1.8kmのPAC3で落とせるはずがない。
射程距離が弾道ミサイルの速度で3~4秒分しかなく、その間に迎撃しなければ
着弾してしまう。
これまで自衛隊が2度実験して1度成功したと言うが、
この実験では「敵の」ミサイルの発射時刻も、角度も、速度も・・・
全ての条件をコンピューターに入力してして行ったものである。
敵が、そのような諸条件を事前に連絡してくれるはずもない。
1つの弾道ミサイルから10数個の核弾頭とダミーを同時に発射できる
当たるはずがなく、効果も無いことは、フィリップ元国防次官補も議会で証言している。
それら核弾頭のうち一発でも着弾すれば悲惨な結果となる。
⑥ ミサイル防衛の大いなる危険
日本を核軍拡競争に巻き込む可能性がある。
根幹:防衛網を完備することによって、いつでも相手を攻撃できる保障とする。
日本では憲法上の制約もあり、結局アメリカの体制を保管するものになる。
ABM条約で核兵器が減ったか? ⇒ 実質は減っていない。多弾頭化などの競争。
それぞれ2200発の核弾頭を持てる事になっている。
⑦ 「PAC3」配備のアメリカ軍需産業の背景
航空宇宙産業は海外に兵器を売ることによって成り立っていた。
冷戦後、多くの国が軍需予算を減らし始めたので、アメリカの軍需産業も淘汰され
現在では合併買収などで5社になっている。
マクダネル・ダグラスもボーイングと合併。
今、一番売れるのはミサイル防衛兵器。
これを各国に買わせるのが目的。
日本政府がこの政策に協力して税金を注ぎ込んでいる。
経済破綻への対応がオバマ政権の最大の課題となっている。
この建て直しのためには、航空宇宙産業の建て直しが最重要課題となっている。
こういう状況はオバマ政権の政策を左右する可能性がある。
⑧ 今後の運動の進め方
北朝鮮の活動を批判することは大事であるし、自制を求めることが重要。
自民党内にも「今、日本を攻撃することはない」と考えている人は少なくない。
「日本を守るものだからいいんじゃないか?」という意見が結構多い。
日本の防衛とは関係ないものであることを強調する必要がある。
真のミサイル防衛は、核兵器廃絶とミサイル兵器の拡散禁止である。
このことを強調する必要がある。
およそ、このようなお話でした。(J)
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