今回の“大規模リストラ”関連記事の検索の中で、
JMIU(全日本金属情報機器労働組合) の名称も
【DIAMOND online】に出ていることが解った。
上記の記事が掲載された(12月11日)の翌日(12月12日)の記事である。

タイトルには 「法的問題点」 とあり、無法・違法状態を明らかにしているようだ。
日本IBMでの無法なリストラ策動をレポートしている
正社員や内定者にもリストラの波!「整理解雇」と「内定取消」に共通する法的問題点【永沢徹コラム】(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
冒頭を引用すると、
正社員や内定者にもリストラの波!
「整理解雇」と「内定取消」に共通する
法的問題点
【永沢徹コラム】
【DIAMOND online】 2008年12月12日(金)11:00
金融危機以降、大手企業にいま、リストラの嵐が吹き荒れている。まずそのターゲットになったのは期間従業員や派遣社員などの非正規社員たち。連日ニュースで「派遣切り」という言葉が登場し、契約解除無効を求める労働紛争も起きている。しかしついに、リストラの余波が正社員にもおよび始めた。ソニーは09年度末までに正社員8000人の削減計画を発表。日興コーディアル証券は1000人超の希望退職を募ったという。
このような正社員を対象としたリストラの中でも、いま問題になっているのが日本IBMだ。同社は、本社米IBMの意向による世界的な事業見直しの中で、日本法人でも人員削減が避けられなくなったため、今年12月末までに正社員1000人のリストラを行なうことを決定したという。
しかし、それを受けてトラブルも発生している。今月3日、同社社員の一部で構成される労働組合 JMIU日本アイビーエム支部 が記者会見を行ない、「社員が退職を強要されている」と訴えたのだ。同組合によると、
今回リストラの対象になったのは「社内評価の下位15%」の社員 だという。
(以下 略)
この記事も結構長いので全文の引用は、【続き】 の方を御覧ください。
前回の共産党の記事よりも長くて、相当詳しいです。
JMIU 日本IBM支部のブログへのリンク
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【追記】(12/17)
この記事について、JMIU日本アイビーエム支部からコメントを頂いた。
(コメント欄参照)
それによると、【DIAMOND online】の引用記事の中の 「社内評価の下位15%」
という内容が、極めて会社都合の『恣意的なもの』であるとのこと。
アイビーエム支部のリンクを見ると下記のようになっていた。
これは、相当非道い!*上司とそりが合わない人
*現部門に異動してきて間もない人
*独身者(面談時に暴言を吐かれている方も)
*身体障害者
*メンタルヘルスに問題がある人(うつ病など)
*休職中の人(会社は「復職後のパフォーマンスを予測して評価」と正当化しようとしています)、復職後間もない人
*出向中の人(出向先では評価されていても、出向元のラインから声をかけられているケースもあります)
*(部門によっては)組合の中で要職にあること
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以下、【続き】 このWeb記事の全文です。
正社員や内定者にもリストラの波!
「整理解雇」と「内定取消」に共通する
法的問題点
日本IBMの退職強要疑惑に、
日本綜合地所のずさんな内定取消問題 【永沢徹コラム】
【DIAMOND online】 2008年12月12日(金)11:00
金融危機以降、大手企業にいま、リストラの嵐が吹き荒れている。まずそのターゲットになったのは期間従業員や派遣社員などの非正規社員たち。連日ニュースで「派遣切り」という言葉が登場し、契約解除無効を求める労働紛争も起きている。しかしついに、リストラの余波が正社員にもおよび始めた。ソニーは09年度末までに正社員8000人の削減計画を発表。日興コーディアル証券は1000人超の希望退職を募ったという。
このような正社員を対象としたリストラの中でも、いま問題になっているのが日本IBMだ。同社は、本社米IBMの意向による世界的な事業見直しの中で、日本法人でも人員削減が避けられなくなったため、今年12月末までに正社員1000人のリストラを行なうことを決定したという。
しかし、それを受けてトラブルも発生している。今月3日、同社社員の一部で構成される労働組合JMIU日本アイビーエム支部が記者会見を行ない、「社員が退職を強要されている」と訴えたのだ。同組合によると、今回リストラの対象になったのは「社内評価の下位15%」の社員だという。12月末を期限に、最大15~24ヵ月の退職金加算を行なうという退職プログラムが組まれているようだ。
さらに組合側の主張では、退職を数回断った社員の中には「48時間以内に退職に同意すれば支援金を加算する。同意しなければ解雇する」と迫られ、実際に退職に追い込まれた者もいるという。「これは労働法違反の行為である」として組合は徹底抗議している(ただし会社側はその事実を否定)。
日本IBMの正社員は約16000人。そのうち1000人がリストラの対象となる。同社の全従業員から見れば6%程度であるし、ソニーの8000人と比べれば、必ずしも多い人数とはいえない。しかし今回注目すべきなのは、リストラの対象者を「社内評価の下位15%」と限定していることである。
しかも多くの企業がリストラ策として一般的に行なっている「希望退職者の募集」ではない。もちろん、一般的な希望退職者の募集であっても、対象者を限定することはある。ただその多くは「50歳以上」などのような年齢制限や特定の職種を対象とするものがほとんど。その条件に該当すれば、優秀である人、優秀でない人にかかわらず、原則誰でも応募できるようになっている。
しかし、今回の日本IBMにおいては、誰でも応募できる制度ではない。成績の低い人たちだけに限定し、“人を選んで”早期退職を促していることになる。その対象者(成績下位15%)は正社員の約16000人の割合でいえば約2400人。管理職等を除くといわば2人に1人の割合で退職を勧奨されているということになる。これはある意味、“指名解雇”“肩たたき”的な要素が多分にあるといえるだろう。
しかし日本においては、労働法によって正社員の保護が手厚くなっており、会社はそう簡単に正社員をクビにすることはできない。会社都合による人員削減(整理解雇)を行なうためには、「整理解雇の4要件」(下記)といわれるものを満たしていなくてはならない。裁判で争われることになったとき、それが違法性を判断する重要な基準となるのだ。
■整理解雇の4要件
1)人員削減の必要性
→会社が経営危機に陥っていて、人員整理の必要性があることが前提。大幅な利益を出している状況下では人員削減は難しい。
2)解雇回避の努力
→整理解雇をするまでに、新規採用の中止、希望退職者の募集、配置転換・出向など解雇を回避するための努力をしたかどうか。いつから行なっていたかというのもポイント。
3)整理基準と人選の合理性
→対象者の選定基準が客観的かつ合理的であること。また具体的適用も公平であること。
4)解雇手続きの妥当性
→対象者や労働組合に対して、整理解雇の必要性やその内容(時期・規模・方法など)について十分に説明し、相手の納得を得られるよう、誠意をもって協議したかどうか。時には再就職先の斡旋まで含まれる場合もある。
日本IBMに限らず、整理解雇にかかわる労働紛争については、特に上記の「2)解雇回避の努力」と「4)解雇手続きの妥当性」が重要なポイントとなる。
整理解雇は“最後の手段”であるべきであるため、やむなくそれを行なうという場合には、
「会社がどこまで解雇回避の努力を行なったか」
「会社は労働者側の納得が得られるまで説明ができていたか」
が、判断の分かれ目となる。
今後実際に日本IBMの社員が裁判所に提訴をするかどうかはわからないが、もしそうなった場合には、上記2つが争点となってくるのは間違いないだろう。
成績下位者というレッテルを
貼られてしまった対象者
それにしても今回気の毒なのは、対象者が「成績下位15%」であるという選定基準が公になってしまったということ。つまり、成績下位であるというレッテルを貼られてしまったということになる。これは、転職活動をするにしても非常に不利になると思われる。
日本IBMはここ数年、地方の生産拠点などを中心に、会社分割や事業売却などによって従業員を減らしてきたという経緯がある。そのため、労働組合の活動が活発になっていたといえる。そんな中に降って湧いた今回の大胆なリストラ。そういう意味では、問題がより表面化しやすくなっていたといえるだろう。
それにしても、これだけの大企業が、「成績(社内評価)」をリストラの選考基準にしたケースは非常に珍しい。そういう意味でも今回の事件は、今後整理解雇をするにあたって、ドラスティックに正面突破を図ってくる企業が増えてくる、という予兆なのかもしれない。
日本綜合地所のずさんな
内定取り消し問題
解雇、リストラというテーマに関連して、ここでもう1つ考えておきたい問題がある。それはいま話題になっている「学生の内定取り消し」の問題である。
「整理解雇」と同様、「内定取り消し」も企業にとって最後の手段でなければならない。しかしそれをあまりにずさんに行なっている企業も多い。その象徴的なケースが、日本綜合地所の内定取り消しである。
同社の内定者は53人。10月1日に内定式も行なっており、その際、社長自らが「マンション業界は不況だが、うちは大丈夫」と発言していたという。しかし一転、11月に入って電話で全員に内定取り消しを通告。それに伴うお見舞金も当初は42万円だけだったという。しかし批判が多かったからなのか、その後お見舞金を100万円に増額する申し出をしているとのことだ。
一般的に、企業は内定取り消しという最悪の事態を避けるため、責任者が内定者のところに出向き、会社の事情を説明することで説得し、自ら内定を辞退してもらうという「合意解約」の方向に持っていくことが多い。
しかし今回の日本綜合地所ではそうした形跡が見られない。何事もなく内定式を行なっておきながら、その後手のひらを返したように内定取り消しを行なっているということは、誠意ある対応とはとてもいえない。たった1ヵ月で会社の経営状況がそこまで劇的に変わったとは思えず、少なくとも不動産バブルの崩壊は今年の夏前からあったはず。であればなぜもっと早く手が打てなかったのか、内定取り消しを出す前に内定辞退を促す個別の説得ができなかったのか、と思ってしまう。
見通しが甘かったとはいえ、あまりにずさんな対応。しかも、手続きがずさんであるのであれば、せめて最後に見せられる誠意はお金のはず。にもかかわらず、最初の提示額は42万円という金額。これは、この時期に大学4年生が就職先を失ってしまうという、事の重大性を考えればあまりに少ない額である。マンション販売という消費者を相手にしている事業者として、今回の対応はレピュテーション・リスク(顧客の信頼を失うリスク)が非常に高いといえるだろう。
「内定取り消し」と「整理解雇」
に共通する問題点
この内定取り消し問題においても、もし裁判で争われることになった場合、先述した「整理解雇の4要件」が判断の基準となる。この場合でも、「2)解雇回避の努力」と「4)解雇手続きの妥当性」が争点となってくる。
2)では、内定取り消しという最悪の事態を避けるために、現職の従業員に対する希望退職の募集や内定者に対する個別交渉による内定辞退(合意解約)も含めた、事前の努力を行なったかどうか。4)では、やむを得ず内定取り消しを行なうとしても、内定者が納得できるような説明とそれに見合う謝罪ができているかどうか、である。
未就労であるとはいっても、「内定」ということは法的には解約権留保付きの労働契約が成立しているとされている。つまり、内定者といえども、既に正社員になっている人と同等に扱わなければならないのだ。実際に、昭和54年に起きた「大日本印刷事件」といわれる内定取り消しの無効が争われた裁判において、最高裁は「内定取り消しは解雇と同様に、その目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるものでなければ解雇権の濫用になる」として、内定取り消しを無効とする判断を下している。
対象者が正社員か内定者かの違いだけであって、リストラという人員削減にあたっては、企業が行なうべき努力と手続きは変わらないのである。そういう意味では、今回の「日本IBMの整理解雇」と「日本綜合地所の内定取り消し」においては、問題点が共通しているといえる。
今秋に起こった金融危機が引き金となり、大企業も業績悪化に苦しんでいる。もはや非正規社員だけでは人件費の調節がつかず、正社員にまでリストラのメスが入れられることになった。今後さらなる整理解雇、内定取り消しといったケースが出てくることも考えられる。なりふり構わず誠意なきリストラを断行すれば、企業イメージを大きく損なうことになりかねない。苦しいときにこそ、その企業の“本質”が見えてくるのかもしれない。
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