そして、この2800億円あれば、単純計算すれば年収4百万円の正社員を7万人の雇えるという訳だ。

赤旗の試算によれば、この剰余金の僅か1.2%あれば、『首切り』 にさらされている1700人の雇用を継続でき、2.4%あれば、彼らを正社員にさえ出来ると言うのである。
さらには、8月に行われた株主中間配当の内、一株当たり5円(配当の1割)減らせば、正社員にすることができるという話である。
すなわち、キャノンが本来の社会的責任を従業員に対しても果たすならば、今回の「派遣切り」などをしないで済む充分な「体力」があるという話である。
如何に、『減益』(儲けが去年のぼろ儲け状態から減っただけで、赤字になった訳ではない)を理由にした非正規雇用者の使い捨てが、企業の勝手気ままなものであるかが証明された。
最近は、日本共産党の長期にわたるキャンペーンが効いてきて、一般マスコミも「派遣切り」の問題を取り上げ始めたが、これらの論調は政府の政策を求めているだけで、企業の責任を追及し、支払い能力を数字で検証できるのは、日本共産党としんぶん「赤旗」、そして全労連だけである。
****************************
12/5 27兆円ため15000人解雇 笠井議員が厳しく告発 (約20分)
(「派遣切り」の本質を突いた質問です。是非、ご覧ください)
キヤノン 「非正規切り」の一方 1年間で剰余金2800億円増 正社員7万人分
2008年12月7日(日)「しんぶん赤旗」
【主張】 派遣切り・期間工切り 政治の責任で実効ある対策を
2008年12月7日(日)「しんぶん赤旗」
内定取り消し・派遣切り 労働ホットライン 全国32カ所
2008年12月7日(日)「しんぶん赤旗」
スペイン日産 解雇撤回 労組の2カ月抗議実る
2008年12月7日(日)「しんぶん赤旗」
「派遣切り」九州深刻 「体力ある大企業、責任果たせ」 北九州で志位委員長会見
2008年12月6日(土)「しんぶん赤旗」
大分のキヤノン、1177人解雇計画 非正規バッサリ
2008年12月5日(金)「しんぶん赤旗」
************************
お読み頂き ありがとうございました。
日本の未来のために!クリックを!



キヤノン 「非正規切り」の一方
1年間で剰余金2800億円増
正社員7万人分
2008年12月7日(日)「しんぶん赤旗」
---------------------------------------------------
大もうけし、一年間に増やした“余った金”(剰余金)だけで七万人の正社員の年収分もあるのに、財界トップ企業が「非正規社員切り」の先頭に立つなんて―。日本経団連会長を務める御手洗冨士夫氏が会長のキヤノングループの派遣・請負社員の解雇に怒りが広がっています。御手洗会長は麻生太郎首相に「(経団連として)雇用の安定に努力する」(一日)と約束したばかりでした。
---------------------------------------------------
キヤノンの100%子会社である大分キヤノンと大分キヤノンマテリアル(いずれも大分県)あわせて約千二百人の派遣・請負の非正規社員の解雇が計画されています。同じく100%子会社のキヤノンプレシジョン(青森県)では約五百人の「非正規切り」。非正規社員は時給千円、一日八時間、月二十一日勤務として計算すると年収二百万円余(残業代含まず)です。非正規社員約千七百人の雇用を維持するには約三十四億円で可能です。また、生産現場での正社員の年収は長浜キヤノン(滋賀県)で約四百万円程度(四十歳代)です。これをもとに計算すると、非正規社員約千七百人の正社員化も約六十八億円程度でできます。
一方、キヤノンは七―九月期決算でみると、社内にため込んだ剰余金は九月末で三兆三千億円を超えます。この一年間に増やした分だけで約二千八百億円です。非正規社員十四万人の年収分、生産現場の正社員七万人の年収分に匹敵します。約千七百人の非正規社員の雇用維持に必要な額は、剰余金の一年の増加分のわずか1・2%にすぎません。正社員化にも2・4%で足ります。
また、キヤノンは「減益」だとしていますが、一―十二月の一年間で五千八百億円もの営業利益(連結)を見込んでおり、雇用を維持する十分な体力があります。また、株主への中間配当(八月、一株当たり五十五円)だけで約七百十五億円にのぼります。非正規社員約千七百人の雇用維持に必要な額は、その5%にもなりません。
麻生首相は雇用の維持を経団連にも「要請」したとしています。しかし、「“要請”では足りない。政府として厳しい指導と監督によって(解雇計画を)やめさせなくてはならない」(日本共産党の志位和夫委員長、五日の麻生首相との党首会談)ことが、ますます明らかになっています。
----------------------------------------------------^
剰余金
利益剰余金と資本剰余金のこと。いずれも、企業のもうけをため込む内部留保の一部です。利益剰余金は、企業が得た利益による剰余金で、社外に分配せず、社内にため込んだものです。積立金や繰越利益などで構成されます。資本剰余金は、新株発行など資本取引によって発生した剰余金のことです。
テーマ:ワーキングプア(働く貧困層) - ジャンル:政治・経済