「ペシャワール会」のボランティア・スタッフとしてアフガニスタンで現地の人々の自立支援として農業の実践教育に当たっていた伊藤和也さん が、タリバーンを自称する犯罪者によって、殺害され、本日(2008年8月30日)無念の声無き帰国をされました。
このニュースを取上げて来なかったことを御詫びします。
別に他意があった訳ではありません。 お互い、別の執筆者が書くに違いないと遠慮しあっていたのだと思います。
もう既に多くのブログが取上げていますので、改めて詳しくは書きませんが、長期に亘って、「誰もが行きたがらない所に行き、誰もがやりたがらないことをする」 という理念に基づいた、 「ペシャワール会」 のアフガニスタンでの危険を顧みない献身的活動が、現地の多くの人々の信頼を得ていたことは、今回の伊藤さんの捜索活動に700人もの現地の人々が参加したことでも解ります。
この日本人に対する信頼感を壊して来たのが、自衛隊の派兵であったことは、アフガニスタンで活動している他の多くのNGOも声を揃えて言っていることです。
「ペシャワール会」の中村哲さんの講演会を聞いたことがありますが、、「自衛隊の派遣は有害無益である」と明確に述べられていました。
間違った解説をしてはいけないので、この点についての 「ペシャワール会」のホームページのリンクを以下に示します。
御確認ください。
【「テロ特措法」はアフガン農民の視点で考えてほしい】
~「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか~
【自立定着村の創設に向けて】 <2007年度の概況>
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昨日、朝日ニュースターに出演した志位委員長は、この事件について下記のように語った。
アフガン問題――NGO団体も
「紛争を軍事的手段で終わらせることはできない」
朝日新聞の本田優編集委員 : アフガニスタンのジャララバードでNGO「ペシャワール会」の人が誘拐され、殺されました。この事件をどう見ますか。
志位 伊藤(和也)さんの殺害に対して、心からの憤りを感じます。アフガニスタンの現地の人々に本当に望まれていた農業支援、民生支援のために奮闘していた青年がこういう形で亡くなったことは、本当に痛ましいことです。
この事件の大きな背景には、アフガンの治安が最悪の状況になっているということがあります。テロに対して報復戦争で対応した。それが憎悪を広げ、悪循環がいよいよひどくなっています。
アフガニスタンで活動する百の国内・国際NGOの調整機関(ACBAR)が、八月一日に声明を出しています。ここに持ってきましたが、「今年に入ってからの民間人犠牲者は千人に達するかもしれない」「国際軍事部隊による空爆の増加が、民間人死亡者の増大の原因になっている」「アフガン軍および国際部隊による捜索のさいには、ときに過剰な武力行使、司法外の殺害、所有物の破壊、容疑者の虐待などがおこなわれてきた」などとのべています。こうした事態が、外国人全体に対する憎悪の感情をつくりだす土壌ともなった。そして、「今年は現在まで十九人のNGOスタッフが殺害され、昨年一年間の殺害数をすでに上回っている」とのべています。(米軍などの)軍事作戦によって、民生支援のために頑張っているNGOの活動に、深刻な障害が持ち込まれているのです。声明は、最後に、「紛争を軍事的手段によって終わらせることはできない」こと、「農村開発と必需サービス」、「和平構築イニシアチブ」など、「持続可能な平和を達成するための一連の措置が必要であるとの強固な信念を強調する」と結んでいます。
戦争では絶対に問題を解決できない。民生支援と、和平構築のための政治的解決に切り替えなければ、アフガニスタンの現状は絶対に好転しないということを、現地で一番苦労されているNGOの方々が共同の声明で訴えていることは、たいへん重いものがあります。
テロに戦争で対応するやり方は失敗しました。政治的・外交的な和平プロセスと、貧困や飢餓をなくしていく民生支援を組み合わせて、問題解決をはかるということこそ大切です。日本政府が、米軍の武力行使を応援するための給油活動をただつづけるということに固執することは、憲法をふみにじるだけでなく、現地の求めるものともまったく違った方向だということを、強調したいですね。
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