【最低賃金の大幅引き上げと
全国一律最低賃金制は世界の流れ】
で、講師が説明された中で、とりわけビックリしたのが、アメリカの財界人が最低賃金UPを積極的に支持する声明を出しているというニュースレターでした。
その部分を再録すると、以下の通り。
【 アメリカ合衆国は、ここ10年間最低賃金のUPがゼロで、後進国並みだったが、米・民主党が議会の主導権を握った影響か?
2007年13.6%,2008年12%,2009年11%UPが決まっており、
この3年間で41%最低賃金がUPする。$5.15⇒$7.25。
これには、米国の大企業を含む800社の社長と重役が最低賃金引き上げを「支持する声明」を出している。 】
そこで、今日はその声明そのもののハイライトを御紹介します。
最低賃金引き上げを支持する米国経営者・重役の声明
【 コストコ社(会員制の倉庫型店舗を展開)最高経営責任者(CEO)をはじめ、全米800社の社長と重役が、最低賃金引き上げを支持する声明に署名しています。以下は、その声明文です】 (2007年2月8日米国紙報道)
経営者たちは、まず第一にこう言っています。
「最低賃金の引き上げは、労働者にとってだけでなく、ビジネスと経済にとっても利益となる。時間5.15ドルの最低賃金では労働者とその家族の必要を満たすことができない」
「公正な最低賃金は、健全なビジネスと地域社会、経済成長の持続にとって不可欠である」
重要な視点です。 日本の経営者にはこういう公正な考え方ができないのでしょうか?
次に
「賃金の引き上げは、消費者の購買力を高め、労働者の移動を減らし、生産性を高め、製品の品質を高め、消費者の満足度を高め、会社の評判を高め、したがってビジネスにも利益となる」
と言っています。 これも尤もなことです。
さらに
「州の最低賃金を5.15ドルの連邦最低賃金以上に引き上げている州では、そうでない州よりも、雇用情勢がよく、小企業の経営も良好である」
そうなんです。
最後に
「公正な最低賃金こそ、私たちが労働と責任ある経営の双方を尊重していることの証となる。公正な最低賃金は、私たちの地域社会と国家の将来に対する健全な投資を意味している」
アメリカの良心ある経営者の考えは大したもんです。
もちろん、アメリカの経営者の殆どがこういう考え方である、ということを意味するものではありません。しかし、影響力のある財界人が多数署名しています。
全文(日本語)は【続き】を御覧ください。
別の機会に英語原文を掲載します。 ここをクリック
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最低賃金引き上げを支持する米国経営者・重役の声明
声明に署名した私たち経営者、重役は、最低賃金の引き上げを支持する。最低賃金の引き上げは、労働者にとってだけでなく、ビジネスと経済にとっても利益となる。時間5.15ドルの最低賃金では労働者とその家族の必要を満たすことができないことを、私たちは知っている。公正な最低賃金は、健全なビジネスと地域社会、経済成長の持続にとって不可欠であることを、私たちは知っている。
私たちは、最低賃金の引き上げが地域経済を押し上げることになると、期待している。低賃金労働者は、みずから生活し働く地元でお金を使うから、ビジネスにとっても地域社会にとっても利益となる。賃金の引き上げは、消費者の購買力を高め、労働者の移動を減らし、生産性を高め、製品の品質を高め、消費者の満足度を高め、会社の評判を高め、したがってビジネスにも利益となる。全国消費者連盟の最近の調査によると、消費者の76%は「その会社の従業員の賃金がどれだけ高くどれだけ待遇がいいかということが消費者の購買に影響をあたえる」と回答している。
州の最低賃金を5.15ドルの連邦最低賃金以上に引き上げている州では、そうでない州よりも、雇用情勢がよく、小企業の経営も良好である。財政政策研究所などの研究によると、最低賃金が5.15ドル以上の州における小企業の数とその従業員の数は、その他の州よりも増えている。最低賃金引き上げを批判する論者の予測と反対の結論になっている。前回、連邦最低賃金が引き上げられたのは1996年と1997年だが、その後、失業率が下がり、インフレも下がり、力強い成長を実現し、貧困率が下がったのである。
時間5.15ドルの最低賃金のもとで、労働者の購買力は半世紀前よりも低くなっている。1950年代の最低賃金で、力強い21世紀経済を構築することはできない。ますます多くの勤勉なアメリカ人が生活のやりくりに苦労しているとき、力強い21世紀経済を構築することはできない。公正な最低賃金こそ、私たちが労働と責任ある経営の双方を尊重していることの証となる。公正な最低賃金は、私たちの地域社会と国家の将来に対する健全な投資を意味しているのである。
(訳・筒井晴彦)