とんでもない日本蔑視・沖縄の人々を愚弄する発言が報道された。
米国務省のメア日本部長(前沖縄総領事)が昨年12月3日、沖縄留学を予定している大学生を対象に米国務省内で行った講演で、「沖縄県民はごまかしとゆすりの名人」などと侮蔑的な発言を繰り返していたことが明らかになりました。「占領者」意識を丸出しにした差別発言だとして、沖縄県民の強い怒りを呼んでいます。
2011年3月8日(火)「しんぶん赤旗」
ひと言ひと言許せない発言であるが、私が思うにもっとも侮蔑したフレーズは
「沖縄県民はあまりにも怠惰でありゴーヤーを栽培できないのだ。」のくだり!
これはあまりにも非道いではないか!
おまけに、このトンデモ発言をしたメア氏は、
日本や沖縄のことを全く知らない人ではなく、
沖縄に総領事として3年間赴任し、
今は、米国政府で「日本部長」を務めるいわば「日本通」の
人間であることから、
今回の発言は、「アメリカの本音」を語ったものと思われている。
酒席で語ったことや内緒話が漏洩した訳ではなく、首都ワシントンで学生相手の
公式の講演の場での発言であることが一層「確信犯」であることを示している。
それにしても、日本の事情を良く知らない学生たちにこのような偏見を
植え付けようとするとは、まさに犯罪的であり、外交官失格であろう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
私は、テレビニュースやラジオニュースでは、この報道を聞かなかったが、
朝日新聞(紙面)を見たところ、『三面記事』に沖縄の怒りなどを掲載していた。
Webニュースで検索してみると、朝日、讀賣、時事通信などが報道していた。
在日米国大使館は米国政府の本意ではないと打消しに躍起となっているようだが、
米国務省のクローリー次官補(広報担当)は7日の記者会見で、
【論争が起きていることは承知しているが、彼が何を言ったかは知らない】
としてコメントを避けた(朝日記事)という。
前原外務大臣が辞めたばかりの日本政府の反応も鈍感の極みで、
枝野外相臨時代理は、
【7日午前の記者会見で、「一つひとつの発言について確認する必要はない」として、
米側に照会しないとの考えを示しました。】(赤旗 3/8)
という反応。
日本国民が米国政府要人によって公式の場で馬鹿にされているのに何とお粗末。
さすがに、日が明けた今日の参議院予算委員会では
世間の反応に驚いたのか『遺憾の意』だけは表明したようだが、
米国政府に詳しい調査を求めたりメア氏の罷免を求めたりするつもりはないらしい。
時事通信によると予算委員会で
【枝野長官は、同部長の発言内容は確認していないとし、
「現在、米国内でも対応を検討していると聞いている。近く米国側から説明があると理解している」と語った。】(時事通信 2011年3月8日(火)12:03) とのこと。
日本政府のへりくだった外交音痴ぶりにはあきれるばかり。
一方、沖縄県議会や市議会は抗議決議を上げている。 (J)
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以下、本日付「赤旗」Web版より引用
「沖縄はゆすりの名人」
米国務省日本部長が暴言
県民怒り
2011年3月8日(火)「しんぶん赤旗」
米国務省のメア日本部長(前沖縄総領事)が昨年12月3日、沖縄留学を予定している大学生を対象に米国務省内で行った講演で、「沖縄県民はごまかしとゆすりの名人」などと侮蔑的な発言を繰り返していたことが明らかになりました。「占領者」意識を丸出しにした差別発言だとして、沖縄県民の強い怒りを呼んでいます。
聴講した複数の学生が作成したメモによれば、メア氏は、「日本人が言う“合意”とは、ゆすりを意味する。沖縄の人々はごまかしと(日本政府に対する)ゆすりの名人だ」などと発言。さらに、「沖縄県民は怠惰であり、他県以上にゴーヤーを栽培できない」などと差別的な発言を繰り返しました。
さらに、米海兵隊普天間基地「移設」問題では、「(普天間は)もともと田畑のなかにあったが、今は市街地のなかにある。なぜなら、沖縄県人が米国施設の周辺の都市化と人口増加を許したからだ」と述べ、国際法に違反して、民有地を取り上げた責任は棚上げして“基地の周りに住むほうが悪い”との認識を示しました。
また、普天間基地が「世界一危険」だといわれている点について、「私は、特別に危険だと思わない」「福岡空港や大阪の伊丹空港は同じように危険だ」などと述べ、米軍機による騒音や墜落の危険など軍事基地に固有の特別の危険を度外視した認識を示しました。
枝野幸男官房長官は7日午前の記者会見で、「一つひとつの発言について確認する必要はない」として、米側に照会しないとの考えを示しました。
【米国務省部長の講演 要旨】
暴言次々 沖縄県民は怠惰 金がほしいなら移転に賛成しろ
米国務省のメア日本部長が昨年12月3日、国務省内で行った講演の要旨は次の通りです。
・沖縄の、矛盾を抱えている基地(普天間)はもともと田畑のなかにあったが、今は市街地のなかにある。なぜなら、沖縄県人が米国施設の周辺の都市化と人口増加を許したからだ。
・民主党政権は沖縄を理解していない。日本政府は沖縄と連絡をとる“パイプ”を持っていない。私が沖縄の人々と接触するよう提案したとき、民主党幹部は「はい、はい、どうぞ!」と言った。自民党は沖縄と連絡を取り、今の民主党政権よりも沖縄の人々の関心を理解していた。
・2009年の総選挙は民主党に権力をもたらした。鳩山(由紀夫前首相)は左翼の政治家だった。民主党と鳩山(の存在)にもかかわらず、日米は5月の2プラス2共同発表をこなしてきた。
◆ ◆
・米国は沖縄における米軍兵力を削減するために8000人の海兵隊をグアムに移す。東京(日本政府)は、沖縄県知事に対して、こう言う必要がある。「もし金がほしいなら、署名しろ(移転計画に賛成しろ)」と。
・日本の文化は“和”の文化だ。それは合意に基づいている。日本人が“合意”と言っているのは、“ゆすり”を意味する。そして、この合意の文化は“ゆすり”の手段だ。
・合意を求めるふりをして、人々は可能な限り、より多くの金を得ようとする。沖縄の人々は“ごまかし”と、東京の“ゆすり”の名人だ。
・沖縄には農業があるが、主要産業は観光だ。沖縄ではゴーヤーが栽培されているが、他県では沖縄以上にゴーヤーを栽培している。沖縄県民はあまりにも怠惰でありゴーヤーを栽培できないのだ。
・沖縄は離婚率と出生率(とくに非嫡出子)、および沖縄の、アルコール度の高い飲酒文化により、飲酒運転の割合がもっとも高い。
◆ ◆
・日本にいる間、あなたたちは“建前と本音”に注意深くなければならない。建前と本音は“言葉と実際の意思は異なるという発想”だ。沖縄にいる間、私は米海兵隊普天間基地について“特別に危険ではない”と言った。私の発言により、沖縄の人々は私のオフィスの前で抗議した。沖縄県民は普天間基地が世界一危険だと主張しているが、彼らは、それは真実ではないと分かっている。福岡空港や大阪の伊丹空港は同じように危険だ。
・日本の政治家はいつも建前と本音を使う。沖縄の政治家は東京では交渉に合意するが、沖縄に戻ると、そんなことはなかったと主張する。米国大使が真実を述べると、いつも批判にさらされる。なぜなら、日本の文化は建前と本音に、あまりに焦点をあてすぎているからだ。
・私は日本の憲法9条を変えるべきだとは思わない。もし日本国憲法が変えられたら、米国の国益を促進するために日本の土地を使えなくなる。現在、日本政府が支払っているホストネーション・サポート(思いやり予算)は有益だ。
2011年3月8日(火)「しんぶん赤旗」
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地元沖縄紙は、さすがに特集を組んで報道している。
【沖縄タイムス】
沖縄タイムス【メア氏差別発言】特集
その一部だけ引用して紹介
沖縄は「ごまかしの名人」 メア米日本部長が発言
2011年3月6日 17時36分 【第一報らしい】
メア氏発言撤回と謝罪求め抗議決議
2011年3月8日 10時40分
県議会の抗議決議は「発言が事実なら基地のない平和で安心・安全な沖縄県をつくることを切に願ってきた県民の心をまさに踏みにじるものであり、県民の願いと民意をまったく無視して愚弄し、侮辱した発言にほかならず、到底容認できない。強く抗議し、発言の撤回と県民への謝罪を強く要求する」との趣旨。メア氏のほかクリントン米国務長官、ルース駐日米国大使宛てに送付する。
那覇市議会、メア氏発言に抗議決議
2011年3月8日 10時39分
沖縄タイムス[解説]米国の本音が赤裸々に
2011年3月8日 09時25分
沖縄タイムスが入手したメア米国務省日本部長の発言録では、日米安全保障体制に関する米国自身の本音と建前が赤裸々に語られている。
従来日米両政府とも、沖縄など国内各地に駐留する米軍は、日本防衛のみならず「東アジア安定の公共財」(前原誠司前外相)の役割があると強調してきた。
しかし、メア氏の発言を矛盾なく理解するなら、日本が攻撃を受けた場合はともかく、日本国内の基地で日常的に米軍が行っている活動は「米国の利益を増進するため」であり、「公共財」との美名で言い表せるものではない。「米国の利益となるアジアの不安定」もあり得るからだ。
アーミテージ元国務副長官ら米国の知日派は、憲法9条の制約は理解しているが集団的自衛権の行使は現憲法下でも可能だ、などと指摘してきた。
こうしたアイデアをメア氏発言の延長線上で解釈すると、9条維持で米軍駐留は確保され、自衛隊を必要に応じて米軍のサポートにも使える、実に米国の国益にかなった提案と言うことになる。だがそれによって得られる日本の国益とは何なのか。
日米両政府間では「同盟深化」の協議が続いている。だがお互いが本音と建前を使い分けていては「同盟」も「深化」も成り立たない。日本政府はまずメア氏の発言について、事実と真意をただすところから始めるべきだろう。
(政経部・前田高敬)
沖縄タイムス[大弦小弦]外交官に必要な資質とは何だろう…
2011年3月8日 09時14分
外交官に必要な資質とは何だろう。思わず考え込んでしまうような発言が飛び出した。米国務省日本部長の要職を務めるメア氏は、日本大使館に長年勤務し、沖縄総領事も務めた。日本での留学経験もある
▼「沖縄はごまかしとゆすりの名人」「怠惰でゴーヤーも栽培できない」。メア氏の発言からは、日本や沖縄での経験から得られたはずの見識はみじんもうかがえない。堪能な日本語をどう生かしたのだろう
▼自国の大学生から「偏見に満ちた言葉に驚いた」「人種差別的発言」と指弾されるような外交官が、普天間飛行場移設という重要な交渉の一端を担っていることに愕然(がくぜん)とする
▼「普天間」の移設で、県民はメア氏が言うような合意を認めてはいない。米国が望まない方向に進んでいる現実が、彼の本音を引き出したのだろう
▼沖縄に対する偏見はメア氏個人に限ったことだろうか。孫崎亨元外務省国際情報局長は、最近の日米交渉にたずさわる米側担当者が、メア氏のような考えを共有している雰囲気があったとコメントしている
▼長年メア氏らと交渉してきた日本側担当者は、その認識をただせなかったのか。今回の発言では沖縄だけでなく、日本政府も侮られている。相手国を侮辱する差別的言動にどう対応していくのか。日本外交の質も問われている。
(浜元克年)